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日本の政府系知財ファンドIPブリッジが訴訟に力を入れ始めている

Fishing on pier 14

 

日本にはIPブリッジという政府系の知財ファンドがあります。産業革新機構パナソニックが出資してできたファンドです。

 

このIPブリッジが三回目の特許侵害訴訟を行ったということで話題になっていました。

www.iam-media.com

10の特許を用いてテキサスでOmniVisionを訴えたとのこと。

All bar one were assigned to IP Bridge by Panasonic and its affiliates; the ‘324 patent was assigned by NEC. The SPF also claims infringement of the ‘324 and ‘174 patents in its litigation with Broadcom.

<私の訳>

一つを除いて、パナソニックもしくはその関連会社からIPブリッジに委託された特許であり、’324特許はNECから委託された特許である。このSPF(※訳注:IPブリッジのこと)は、ブロードコムとの訴訟においても'324特許と'174特許の特許侵害を訴えている。

 

bar…を除く

SPF…sovereign patent fund。初めて聞いた単語でしたが、政府系の知財ファンドを意味するようです。

 

IPブリッジにはパナソニックが出資しているので扱う特許もやはりパナソニック中心になるんでしょうか。

 

なお記事では、IPブリッジが、訴訟によって大きなリターンを得る方向に経営方針を変更していると記載されています。

 

Founded in 2013 with a mix of private and public sector funding, it initially avoided confrontation and focused on aggregating patents and monetising them through ‘carrot licensing’ and open innovation programmes where possible. That it would eventually have to turn to litigation in order to generate larger returns was widely expected, however; and with three US lawsuits currently in progress, it would seem that the SPF now considers assertion as a core part of its strategy.

<私の訳(自信なし)>

IPブリッジは、官民合同の出資によって2013年に設立された当初、対立を避け、特許の取得に注力し、かつ、実行可能なキャロットライセンシングとオープンイノベーションプログラムを通じたマネタイズに注力していた。しかし、ゆくゆくは、より大きな報酬を生み出すために、訴訟を始めることが必要だと広く予想されていた。実際、現在は3つの訴訟がアメリカで進行中であって、このSPFはいま現在は、訴訟を戦略の核と考えているようだ。

 

carrot licensingという言葉も私は知らなかったのですが、友好的なライセンス提供の申し出のことのようです。

 

日系の知財ファンドの活動が活発化すると、日本の知財界にも何か変化が生じるのでしょうか??

米国特許訴訟Q&A150問

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英辞郎 第九版(辞書データVer.148/2016年4月8日版)

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 私は英単語の学習に英辞郎というパソコンの辞書を使っています。