雑記ときどき知財ブログ

知財中心の雑記ブログ

パリ条約では意匠出願と実用新案出願をまたがって優先権を主張できる

表題の件については、Wikipediaによくまとまっていたので転載します。

 

出願の種類をまたがって優先権が可能な場合もある:

 

実用新案登録出願を基礎として、意匠登録を優先権出願できる。この場合の優先期間は意匠のもの(6ヶ月)である(パリ条約4条E(1))

実用新案登録出願を基礎として、特許を優先権出願できる(パリ条約4条E(2))

逆に特許出願を基礎として、実用新案登録を優先権出願できる(パリ条約4条E(2))

 

特許と実案は同じ発明が対象なので、互いにまたがって優先権を主張できるのは意外ではないですね。

 

覚えるべきは、第1国出願が実案の場合に、第2国出願が意匠の場合。これは4条Eで認められています。

では逆に第1国が意匠で第2国が実案の場合は良いのか?

明文では規定はないですが、ボーデンハウゼン教授による注解パリ条約(日本語訳版)の47ページによると、4条Eにはそのような場合も含められている(認められる)と考えられるそうです。

ボーデンハウゼンの本はWIPOのサイトに公開されてあります。

 

ちなみにパリ条約では要求されていませんが、日本では、第1国出願が特許の場合に、その優先権を主張して第2国の日本に意匠出願することは認めるそうです(意匠審査便覧による)。

 

なお、特許出願に基づく優先権を主張して意匠登録出願をすることについては、パリ条約に規定はないが、我が国を第二国とする場合は、それらの法域相互間の出願の変更が可能であることから、これを認めることとする。

 

 

ケータイ弁理士III 不正競争防止法・著作権法・条約

ケータイ弁理士III 不正競争防止法・著作権法・条約

 
弁理士試験 エレメンツ (3) 条約/不正競争防止法/著作権法 第7版

弁理士試験 エレメンツ (3) 条約/不正競争防止法/著作権法 第7版