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売主居住中の中古マンションを住宅ローンを組んで購入する流れ

売主さんが居住中の中古マンションをローンを使って購入したのでその流れをまとめてみた

 

仲介業者(不動産屋)に行く

何はともかく不動産の売買を仲介してくれる不動産屋を探さなくてはならない。野村や三井、東急といった各地に支店があるような大企業の他、地元密着の小企業までいろいろある。

たまたま駅前に店舗があるのをみつけて来店したところが社長自ら担当者になってくれる小規模の不動産屋だった。最終的にすべてそこにお世話になったのだが、特段の問題は感じなかった。

不動産屋から紹介されるリフォームやハウスクリーニング、保険代理店の業者が社長の個人的な知り合いである地元密着の個人事業者、小企業だったのが印象的だった。おそらくだが大手の不動産屋であればリフォーム等もグループ企業や提携大手企業を紹介されるのではないか。

不動産屋に支払う仲介手数料だが物件額の3%+αが上限という法律の決まりがあるのでたぶん不動産屋の規模には大きく依存しないと思う。

また、どの不動産屋に行ってもレインズという共通データベースにアクセスできるので紹介可能な中古マンションの物件もほぼ一緒と思われる。

 

物件の周囲の情報を教えてもらう上では不動産を購入したい地区にある不動産屋に行くのが無難。

 

物件を紹介してもらい内見を申し込む

予算や希望地区などを伝えると前述したレインズというデータベースでサーチしていくつか候補物件を紹介してくれるはず。私の場合は200件弱の物件情報を一緒に見ながらおすすめを探してくれてとてもありがたかった。

よい物件が見つかれば売主さん側の仲介業者とコンタクトをとって内見の申込みをしてくれる。

 

住宅ローンの仮申込

物件を購入する費用を一括で払えない場合は住宅ローンを組む必要がある。住宅ローンを組めるかどうかの銀行による本審査は物件の売買契約を交わした後に行われるが、それよりも前の段階でも簡易的な仮審査をしてくれる。

お金を借りられる見通しがないと売主さんさんからも信用されず、その後の手続が滞る可能性があるので内見する物件を対象にしてローンを組めるか仮審査してもらうことをすすめられた。通常、1日、2日くらいで結果が出る。

仮審査では、収入を証明する書類(源泉徴収票)や身分証とかが必要になることがあるから事前に用意すると良い。

一般的な銀行や信用金庫などの住宅ローンの仮審査は不動産屋から申込可能。不動産屋に紹介してもらったところで一つ仮審査を通しておいたのでその後の手続きが一部楽だった。具体的には売主さん側の不動産屋へ購買力がある人ですよ、と私のことを説明してくれた。

なお不動産屋に紹介してもらった銀行以外にも良い条件でお金を貸してくれそうなところに自分から仮審査を申し込んでも当然良い。

 

ちなみに仮審査によって借りられる上限とされる額はどこの銀行も物件価格の110-115%くらい。リフォーム予定があってもその金額は住宅ローンに反映してくれない。もしもリフォーム分のお金を借りたいなら別途リフォームローンを組む必要がある。

 

なお住宅ローンを組むには健康診断の結果を提出して健康面でもチェックが必要。具体的には、住宅ローンを組むためには団体信用生命保険に加入するのが必須で、その際に健康面が問題になる。

仮審査の申し込み時やその結果通知後に健康診断の結果を提出することができるようになることが多いので気になる点がある人は早めに提出しておくとよいかも。しばらくすると団体信用生命保険に加入できるか否か結果が通知されるか、通知されなくても銀行に電話すれば教えてくれることが多い。

 

住宅ローンはいろいろあるので購入する不動産の次くらいにしっかり検討したほうが良い。

 

内見と購入申込

不動産屋に行った日に内見の申込みをして次の週に物件の内見に行った。立ち会うのは売主さん、売主さん側の不動産屋、こちらの不動産屋。

 

その時点ではまだ売主さんが居住しているので気が引けるのだが設備に故障や汚れがないかなどはきちんとチェックするのが良い。現状引き渡しとなるのでなにか問題があれば自分たちで直す必要がありリフォームに必要な金額が変わる。

 

最終的に購入した物件は内見時点で人気があり前後に他の購入希望者の見学の予定がたくさん入っているようだった。どうも売主さんは引っ越しの予定がすでに決まっていてそれまでに居住物件を売ることに迫られていたので相場よりもやや安くしていたようだ。

私達も気に入ったので内見の場で購入申し込みをする旨を伝えて内見は終了。

 

その後に正式な申し込み書類を書いた。この時点で前金をいくら払う用意があるか伝えなくてはならない。

 

絶対の決まりはないが通常は物件価格の5%〜10%を前金として払うと伝えることになる。申し込みが受理されるとすぐに売買契約を交わすことになって前金もその際に必要になるので申し込み時点でお金が準備されていることが望ましい。

 

なお申し込みが複数ある場合には売主さんが誰に売るのか決めることになる。資力に疑問を持たれると売るのを躊躇されるかもしれないので事前にローン仮審査を通しておくと良いのは前述した通り。

 

申込みの受理と売買契約

申し込みが受理されると契約を交わすことになる。関係者が一堂に集まることが多いようだが、都合がつかなかったのか売主さんど私が別々に契約書に署名捺印することになった。

私の場合は該当しなかったが不動産屋に払う仲介手数料の半金を契約時点で支払う場合もあるようだ。そうすると前述した前金と合わせて最大で物件価格の11.5%の金額がこの時点で必要になる。住宅ローンを借りるにせよある程度の現金の用意は大事と思われる。

 

住宅ローンの本審査と契約申込

契約書が手に入ると住宅ローンの本申込をすることになる。落とされるのが怖かったので仮審査が通った銀行のうちの3行に本審査申込をした。

なお仮審査で提出していなかった場合には源泉徴収票、健康結果が必要。さらに本審査では課税証明書と家族全員の住民票(本籍地とマイナンバーは記載させないもの)の提出も必要。

通常は1週間から2週間で結果が出る。理由はよくわからないのだが3行中1行の審査に落ちてしまった。ただ2行が本審査にも通ったので金利が安いほうと契約することにした。

なお銀行ローンを組む場合には借入額の2.2%の手数料が必要。借りた額が口座に振り込まれた直後に手数料分の結構な金額が引かれてしまう。本審査で申し込んだ借り入れ希望額よりも実際に借りる額を下げることは可能なので、本審査に多めに申し込んでおきつつ、実際にいくらお金を借りるかはその後にちゃんと考えておくと良い。

契約するためには銀行口座を開設する必要がある。時間的に余裕がなかったため本審査を申込だ銀行には事前に口座も作った。その結果無用の口座が2つ増えることになった。

 

リフォームやハウスクリーニング、火災保険、引っ越しの申込、住宅財形の解約

リフォームやクリーニング業者、火災保険の代理店は自分で探しても当然良いのだが、吟味する時間もなかったので不動産屋さんに紹介してもらったところにした。やり取りを不動産屋に仲介してもらうこともあって楽なこともあった。

引っ越しはやはり不動産屋にチラシをもらった四社に見積もりを申し込んだ。見積もりの順番として本命は後ろに持ってくる方が金額交渉しやすいかと思う。

物件の売買契約書を手に入れたのでそれを使って住宅財形の払い戻し手続きもした。ただし手続きに1月以上かかるとのことで積み立てていたお金を物件購入の決済時点で使うことはできなかった。中古物件の売買は契約から決済までの期間が短いことがあるので手続きに時間が必要な住宅財形とは相性が悪い。

 

住民票を新住所に移す

住宅ローンの本審査と契約申込が終わるといよいよ物件がかえる見通しがたつ。その後の手続の便宜のため住民票を新住所に移すことを不動産屋にすすめられたので役所に手続きした。

詳しくはわからないのだが後述する登記手続きを旧住所でしてしまうと引越し後に住所を新住所に変更する必要があって二度手間で余分な費用が必要になるようだ。ただ住宅票を決済前に移すのは必須ではなく旧住所に基づいて手続きすることも可能。

住所変更の手続き(転居手続き)をする際には後述の登記手続きで必要な住民票と印鑑登録証明書も用意すると良い。

 

登記手続と決済

住宅ローンの契約には抵当権の設定登記をしてもらう必要があるので契約申込後に銀行指定の司法書士の事務所に出向いて印鑑登録証明書2通と住民票を渡し必要書類に署名捺印した。前述したようにすでにこれらの書類は新住所にかえてあった。住民票には本籍やマイナンバーの記入はないものにするのが良いようだ。

 

なおこれとは別に不動産の所有権の移転登記も必要。所有権の移転登記は不動産屋に紹介してもらった別の司法書士さんにお願いすることにした。この司法書士さんが物件の決済日(売主さんに銀行からお金が振り込まれる日)に来てくれて、売主さんや各不動産屋さん立ち会いのもと所有権移転登記のための必要な手続をしてくれる。このときに必要なのは住民票。

抵当権の設定登記や物件の所有権の移転登記においても税金や司法書士さんに対する報酬の費用が発生する。

決済の日には、ローンで借りたお金のうち売主さんへ支払われるお金と銀行へ支払う手数料と、を除いたお金が手元に残る。不動産屋や司法書士さんへの支払はこの決済日が期限に指定されると思うので振り込みする。

 

物件の引き渡し

通常は決済の日に物件引き渡しなのだが売主さんの都合で決済のあと一週間後に物件の引き渡しだった。不動産屋に鍵を受け取りにいき、大まかな手続きが終わった。

 

物件決済や引き渡し後の諸々

物件引き渡し後、引越までの間にはリフォームやハウスクリーニングが入ることになる。

また、決済日に相手側の不動産屋から管理費の引き落としの手続き書類をもらったので手続きした。その他、新居の細かい手続きについて分からないことが出たときは直接、新居の管理人さんや管理会社に電話して教えてもらった。

また住んでいる賃貸の解約手続きをした。

 

所感

売主さんが居住中の中古物件の売買はスケジュールが売主さんの都合で決まっていくので詳しく話を聞かないと今後の見通しが読めないことがある。また修繕の必要度合いなども個別に異なる。

臨機応変な対応力が必要と感じた。

中古マンションの購入でもすでに前所有者が退去してリフォームも完了している物件だとだいぶ変わってくると思う。