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知財部員が日本語の作文技術を読む

最近、ツイッターの特許業界の界隈で、日本語の作文技術という本が話題になっていました。特許は言葉で技術概念を日本語で説明する仕事なので、日本語技術の向上が求められます。上記の本は一般に著名なだけでなく、特許業界でも新人などに一読を勧められることが多いです。

 

わたしも昔、勧められて読んだことがあるのですがすでに手元になく、記憶も曖昧だったので改めて購入して読んで見ることにしました。

 

修飾語の係り受けを一義的にして誤読されるのを避けるのが明確な文章を書くコツです。この本にはその方法として修飾語の適切な語順が解説されています。

大まかに言うと、(1)節による修飾語を前にして句によるものをあとにすることと(2)長い修飾語を前にだすこととが大切です。

読点の打ち方についても体系的に学ぶことはないので参考になります。一読しただけでは体得できない様々な繰り返し読みたくなる本です。

 

日本語で作文をする上での技術的注意点がいろいろ書かれているのに加えて、作者の思想・主張が強く滲み出ている本であるのは注意点です。悪文とされた文章は結構強めに叩かれてします。プロの文を叩くこと自体は批評として適当と思うものの、新聞の投書欄に掲載された素人の文章までぶった切っているのは今の世なら嫌悪感を持たれるかもしれません。

引用されたものはどれも素人なりによくかけた文章だとわたしは思ったので結構作者は厳しいですね。朝日新聞の記者でありながら朝日新聞の投稿欄を手厳しく批判するのは少なくとも現代では読者への敬意に欠けてるとみなされやすいとおもいます。

 

更にいうと四十年前に書かれたものですし、この本で引用されている文はそれよりさらに昔のものなので、やはり古さを感じます。日本語の作文を学ぶ上で本書は定番であるものの、この四十年間に他に良い本が刊行されていないとは流石に思えないので、もう少し新し目の本も探してみようと思わされました。

 

この本は最近話題になっていましたね。