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弁理士試験の予備校事情。TAC、代々木塾の受講体験を中心に

弁理士試験も3次試験(口述式試験)まで無事終わり、合格可能性が比較的高まってきたので、弁理士受験生になる方向けに経験談をまとめたいと思います。

(※追記:この記事を書いたあと無事に合格しました)

 

今回はタイトルにあるように予備校の体験記を書きます。私が主に受講したのはTACで、その補完として代々木塾の単発講座を受講しました。

 

いずれも比較的マイナーな予備校なので、これらの予備校に興味がある方にとっては参考になるかもしれません。

 

予備校に通うとなると、当然、最大手であるLECが一番無難な選択肢になります。こちらの予備校については詳しい合格体験記がLECから出ているはずなので参考になさってください。

 

私が主に通ったTACはLECに比べると規模は小さいですが、合格するうえで大きな不利にはならないだろう、という感覚を持っています。世の中に出回っている情報は少ないですが、もし仮にTACをすでに選んでしまったという人がいれば、そのままTACの授業についていけば合格する可能性は十分にあるので安心してほしいです。

 

また代々木塾も論文試験に関する単発の講座や模試の受講のみでしたが教材の質が良い印象を受けているので、実力が付く予備校だと思っています。

 

ちなみに、予備校を受講せずに合格する人もいるのですが、おそらく合格者の多数派はなにかしら予備校の講座を受けることが多いです。弁理士試験は、受験者が少ないため一般に市販される教材がそもそも少なく、また毎年のように法改正があるため市販教材が現行法に対応していない場合も多々あって、独学しにくい印象があります。

 

まず、前提として私が知っている主な予備校(受験対策機関)は以下の通りです。

 

<大手総合予備校>

  • LEC
  • TAC

弁理士講座以外にもいろいろな資格向けの講座を提供していて各地に校舎があります。基本的に受講料は高めです。

 

弁理士講座でいうとLECが最大手で合格者の過半はLEC生なのではないか、と思います。一方、私が通ったTACは会計系の資格には強いですが、弁理士講座はLECよりもだいぶ規模が小さいです。

 

ただ予備校全体としては規模が大きいので、TACもいろいろなシステムはしっかりしています。通学で受講できるほか、自宅でも受講が可能です。基本的には校舎で行われた講義を録画して、オンラインで配信してくれます。PCでもスマートフォンでも視聴可能です。そのため、欠席した授業を家で受講すること(いわゆる欠席フォロー)もできますし、通学を全くせずオンラインのみで受講を完了することもできます(いわゆる通信講座)。

また生講義は東京と大阪だけですが、ビデオブース講座であれば、ほかの地域の校舎で受講することも可能です。家で受講可能なオンライン授業と仕組みは同じですが、ビデオブースによる受講は自宅と違い勉強に集中しやすい環境なので、個人的にはおすすめです。

LECも基本的にシステムはTACと類似しているはずです。ただ、LECは規模が大きい分、名古屋でも生講義があり、また、受講料を抑えたオンライン専用コースも用意があるようです。

 

そのほか、LECにもTACにも通常授業のほかにゼミがあります。少なくともタックではゼミが通学専用になっています(オンライン配信がない)。私はゼミを受講したことがないので想像ですが、おそらく講師とゼミ生の間でのコミュニケーションをはかりつつ、勉強していくのだと思います。通常の講座は、基本的には講師の方が一方的に話す形態が多いです(ただ通常講義でも、講義後はたくさん質問を受け付けてくれます)。

 

ゼミは学習経験者を対象していることが多いので、勉強始めたばかりの頃はあまり気にしなくてよいと思います。

 

 

<オンライン予備校>

基本的には通学形態の授業を行わず、オンラインでのみ受講が可能です。校舎がない分、固定費を削減し、受講料を安くしています。特にスタディングは格安です。

 

通学を全くしない、という人であれば特に費用的な面からオンライン予備校は魅力的です。

 

<個人塾、個人ゼミ>

  • 代々木塾(堤先生)
  • 全員合格!吉田ゼミ(吉田先生)

 

個人の弁理士先生が運営している弁理士特化の塾ですね。LECやTACの講師の方は、特許事務所に勤務しながら講師をしていることが多いのに対して、この2つの予備校は、堤先生や吉田先生が専業で講師をされていると思われます。

私はTACをメインにしつつ、サブ的に代々木塾の単発講座をいくつかとっていましたが、おそらく堤先生が教材をすべて作成しています。同じ先生がすべての教材を作成しているぶん、その質や内容が一定しており、勉強しやすいと感じました(TACは講師以外のスタッフが教材を作っていることも多いようです)。

 

代々木塾をTACと比べると、システムはTACの方がしっかりしていました。代々木塾の通信講座を受講すると、教材は電子メールを介してPDFで配布されるため、基本的に家のプリンタで印刷する必要があります(TACなどであれば製本された状態で受け取れる)。また、講義も音声ファイルのみ配布で動画はありませんでした。

 

ただ吉田ゼミは、動画の配信もされているようです。

 

<TACをメインに選んだ理由とTACの感想>

通学をしたい&大手予備校が安心そう、という条件からLECかTACが選択肢になっていて、その中から、TACを選びました。

 

オンライン受講(通信受講)だと、だらだらしてしまって集中して受講できなかったり、サボってしまう可能性が高かったのが通学を選んだ理由です。

 

TACの欠席フォロー(授業のオンライン配信)において気をつけないといけないのは、同じ講座を担当する先生が複数いたとしても、オンラインで配信されるのは渋谷校で授業をする1人だけ、ということです。例えば、いつもは新宿校で齋藤先生の生の授業を受けていたとしても、オンライン配信されるのは渋谷校の小松先生のもの、ということになります。

 

私は、生講義も基本的には渋谷で受けていたので齟齬が生じなかったのですが、先生によって授業の進め方は異なるので、ほかの校舎で授業を受ける人は問題になるかもしれません。ただ、逆にいえば、生講義は新宿で受けて、オンラインで渋谷の授業を受ける、ということも可能です。時間ある人にとっては2人の先生から授業を聞けるのでお得になります。

 

ただ、LECの場合は事情が少し違いそうで先生ごとにオンライン配信がされているようです。通学講座で受講している先生以外のオンライン授業を視聴することは仕組み上できないのではないか、と予想しています(未確認)。

 

なお、TACは、合格に必要な複数の講座がパック化されたコースの価格がLECより安い、という特徴があります。あえて最大手のLECではなくTACを選ぶ人がいるのはこの理由が一番多いと思います。

 

きちんと比較はしたことないのですが、TACはコースに含まれる授業数が少ないためLECよりも安価になっているのだろうと思っています。Twitterの口コミを見るとLECはコースに含まれる授業や教材の量が多い印象を受けています。LECできちんと講座を咀嚼できた場合には、試験で問われる広い分野の知識を網羅でき、高い実力がつきそうです。受験者層の上位にいる人の多くはLEC生である印象もあります。

ただ、授業が多い分、十分に消化するのが大変そうとも思っています。次々と送られてくる教材が積読状態になっている話はよく聞きます。

 

それに対して、TACは講座、教材の量がLECほどは多くなく、その分、重要なところに絞って授業が行われる印象です。それでも正直、働きながら勉強する時間を捻出するのはかなり大変ですが、比較すると授業を受ける負荷が低いです。

 

大事なところにフォーカスして、そこそこの成績で効率よく合格基準を超える、という戦略をとる人がTAC生には多そうです。

 

なお授業数が少ない分、短答試験前後など、授業がなく自主学習となる期間あってその間はベースを乱しがちです。私はこの期間を過去問を解く時間や過去の授業の復習をする時間にあてて乗り切っていました。

 

またTACは受講生の数が少ない分、直接、先生から指導を受ける機会を多くもてると思われます。一方で多数派のLEC生が教わっているはずのことの一部を、自分たちは習っていないという漠然とした不安感はありますね。

またLECの規模であれば、学習者のレベル、分野、先生ごとにたくさんのコースやオプション講座の種類が用意されているのですが、TACはそこまでバリエーションある講座が用意されているわけではありません。

そのため、学習者のレベルや先生にかかわらず、同じ講座を受講する場面が多いです。

 

ただ働きながら2年程度の勉強で最終合格を目指す場合たくさんのことにあれこれ手を出していると間に合いません。

合格だけを考えると、応用的な事項が必須であるとは言えません。基本的なことを繰り返して確実に合格基準点を抑えるという観点から考えると、TACが提供する講座であっても十分に対応できる可能性が高いと思っています。

 

そのうえで、時間的余裕がある場合に限って、別の予備校なども活用しつつ必要に応じて受講講座を増やしていけばよいのかな、と思っています。そうすれば全般的に費用負担はLECよりも低く抑えられる可能性が高そうです。

 

TACの弱点をあげると、テキストの完成度はレックのほうが高い印象を受けました。

スタッフが多いおかげか、LECは教材の正確性や網羅性が高い印象です(市販されているレックの教材やレックでテキストを閲覧させてもらった限りの印象ですが)。レック生のコメント見ると個人学習の際にも講義テキストを繰り返し読む人が多いようです。

 

もちろんTACもテキストにある程度、情報はまとまっています。ただ、個人学習はTACのテキストを使うよりも過去問を中心にしていったほうが良いという気がしています。時間をかけずに結果を出そうとするならば、むしろ過去問を勉強の中心にするのは王道ですし。

私は過去問で間違えた問題に付箋を貼ったり印をつけたり、余白に書き込んだりして、過去問集で必要な情報の集約を図っていました。

 

<TACの講座概要>

TACではインプットの講座とアウトプットの講座の両方が網羅された基本的なパック(コース)のことを、○○本科生、という名前で呼んでいます。

 

【基礎的/1次及び2次試験の両方の講座】

〇年本科生/〇月本科生

 (〇年=1年、1.5年または2年。〇月は確か8月)

 

【基礎的/1次試験向けの講座のみ】

短答本科生

 

【基礎的/2次試験のみ】

論文本科生

 

【応用/1次、2次試験の両方の講座】

上級本科生

 

【応用/2次試験のみ】

上級論文本科生

 

<私の選択した講座(1年目)>

メインに受講したTACについて

私は、10年以上前にもTAC(当時はWセミナー)で基礎的な入門講座を受けた経験があって(その時は途中で試験勉強から脱落)、かつ、実務知識もあったので、本格的に受験勉強を再開した1年目は、2020年試験向け上級本科生を受講しました。

 

これには1次試験(短答試験)と2次試験(論文試験)の両方の対策講座が含まれていて基礎的な講座がない代わりに経験者向けの講座があります。

 

2020年は短答のみ合格し論文試験は落ちました。

ただ、この年に、論文もある程度、合格できる目途がついたので(※)、講座の内容自体は悪くなかったと思っています。

 

※平均点が53点と合格には1点足りなかったのですが、問題の読み飛ばしのミスがなければ合格していた可能性があると思えました。

 

また上級本科生は厚労省の教育給付金の対象になっていたので20パーセント、受講料が返還されたのも大きなポイントです。

 

上級本科生に含まれていないオプションの講座として、短答と論文用の知識インプット用の直前対策講座も併せて受講しました。

 

TACの特徴としては最初は単答試験向けな講座から始まり論文試験に特化した講座は始まるのが少し遅い、という感じがします。最初は論文試験の対策がなかなか始まらないことが気になっていたのですが短答試験対策の知識が論文試験にも活かせるということがわかったのでそれ自身は特段問題はありませんでした。

基本的な知識がないと論文かけないですしね。

 

代々木塾の併用について

ただTACだけだと、論文試験対策のアウトプットの機会が少ないとは感じていたので、論文試験直前に通信講座で代々木塾の模試を3回受講しました。TACの模試と合わせると直前期に5回、模試を受けたことになります。

 

代々木塾の模試に類似した問題が本試験でも出題されたので、代々木塾に対する信頼感を覚えました。これが、2年目にも代々木塾の講座をとるきっかけになりました。

 

<私の選択した講座(2年目)>

TAC

2年目の2021年向け講座は、総合的なコースではなく、答練パックBという論文の答練(簡易的な模試のようなもの)のみが含まれたパックをTACで受講しました。

 

費用対効果を考えたときに、2年続けてTACで同じインプット講座をとって費用をかけるのは避けたかったためアウトプット講座の答練だけ受講することにしたからです。

 

いま確認したところ、論文答練のみのパックはLECにもあり、TACと比較してもお値打ち感がありました。論文の答練のみ受講したい学習経験者であれば、TACをあえて選ばず最大手のLECを選んでもよかったかもしれません。

 

ただ私はTAC流の論文の書き方に慣れていたので、そのままTACを継続したのも一理あったかな、と思います。ある程度、結果を出せていた型を途中で変更する必然性もなかったので。実際、2021年は、比較的余裕をもって論文試験を突破しました。

 

Twitterの書き込みをみると、LEC生がTACの論文答練や模試を受講して、模範解答に違和感を覚えることもあるようです。書き込みを読む限り、その違和感が正しいように思えることもあるのですが、流儀の違いにすぎないのでは、と思うこともあって、合格基準を超えるという観点からいうとTAC流に合わせても大丈夫という印象を持っています。

また、本試験をよく研究して、本試験同等以上の難易度になっているので、TACで論文答練連を受けておくと本試験に対応できる実力がつくと思います。

 

なお2年目は、論文試験を突破している可能性が高いと感じていたので、論文試験後、3次試験(口述試験)の対策講座も別途TACで受講しました。

 

また論文合格発表後は、TACで口述模試を受講しました。

 

代々木塾

TACの受講講座を2年目で減らした分、代々木塾で論文対策として以下を受講しました。ただこれらはテキストのみの講座であって実質的には独学用の教材といったところです。ただ不明点はメールで問い合わせると回答がすぐに来たので助かりました。

 

  • 事例対策講座
  • 趣旨対策講座
  • 改正法対策講座

(講座名称は不正確かも)

 

特に事例対策講座は、基礎的な事項からTACよりも細かな知識を問う問題まで網羅されていて助かりました。

 

LEC

2年目、論文試験が合格していたことがわかったので口述模試を受講しました。

予想問題集をもらったのですが、結構、難度の高い問題が多くレック生はレベル高そうだなぁという感じを受けました。

 

<自主学習用教材>

講座受講以外の自主学習で用いた教材をまとめました。

 

 

TACの弁理士講座が編纂している法文集です。この手の法文集はパテック企画も出版していてそちらのほうがメジャーなのですが、TACの法文集の場合には各条文にその条文が短答試験で問われた年度と問題の番号が記載されています。

たくさんの年度で出題された条文は重点的に読み込んだり、逆に特定の条文について問われた短答の問題を探したりするときに非常に便利でした。

 

過去13年で出題された短答試験の問題のうち重要なものを、関連する条文の順番に並べ替えたもの。TACの授業の進度に合わせて、学んだ条文に関する問題を解くことが推奨されていました。TAC生だけでなく独学生もよく使っている印象です。赤い問題集などと呼ばれていました。

 

こちらは青い短答問題集。過去5年の短答試験の問題が年度順に並んでいます。

新しい年度の問題ほど、試験傾向が次回の試験に近いと考えられるので、新しい年度から順番に解いていました。短答試験に合格した2020年は、5回くらい繰り返したと思います。

2回は全問解いて、残り3回は間違えた問題を中心に解く形でした。

 

2021年は短答試験は免除だったのですが、TACの小松先生に推奨されて改めて最新のものを購入して過去1年分くらいは解いた気がします。短答試験に合格してその次の年から受験免除になると、短答試験で問われる条文の知識が抜けてしまうのでそれを避ける目的があるようです。

本当ならば2021年も5年分解いたほうがよかったと思われるのですが、上記したように2021年は代々木塾の講座を受講してそちらでも学習していたので、こちらの問題集まで手が回らない状態でした。

 

なお国際条約に関する問題は出題範囲に比して出題数が少ないので、過去5年分では対策が十分ではないそうです。過去10年分くらいの問題を解くことを推奨されていました。上記した赤い問題集を使うか、下記のLECの問題集を使うとよいと思われます。

こちらはLECが編纂した短答過去問集。TACの倍の10年分の問題があります。

TACの問題集で過去5年分を繰り返し解いたので、それより前の問題を解きたくて購入しました。分野別に問題の順序が並び替えられていますが、解くのは年度ごとに行いました(分野問わずまんべんなく勉強したかったから)。結局、TACの問題集と合わせて過去7年分の問題を解くことになりました(3年は解かずに残りました)。おそらくLEC生であれば10年分全部解くのだと思います。

 

これもTACが編纂している、緑の論文過去問集。過去10年分の問題が掲載されています。まれに模範解答にウーンと思うことがあります。明らかな間違いの場合には正しいと思われる解答を提示しつつ出版社に問い合わせていました。場合によっては正誤表が発行されることもありました。

解答のほか、詳細な解説が書いてあるのでそちらも読むと勉強になります。

 

■LECの弁理士試験 年度別論文過去問集

本屋にはおいていませんが、LECのオンラインストアから購入可能です。

過去7年分の問題とその模範解答があります。また特徴として模範解答が2パターン記載されているという特徴があります。

TACの問題集の模範解答と照らし合わせて読むとよいと思います。信頼性は高いです。

 

口述試験対策に購入しました。TACの口述試験の対策講座はこのテキストを用いて行うので、自主学習以外に講義でも利用しました。

なお、毎年改定されるテキストではないので、購入年によっては法改正に対応されていないことがあります。その場合、TACの講座を受講すると、法改正部分に対応した別冊子がもらえるようです。

 

■LECの口述アドヴァン

こちらは口述の過去10年分の問題集。LECのオンラインストアで販売しています。実際の口述試験では過去10年出題されていない事項も出題されるのでこれだけでは十分ではないですが、まず口述対策に取り組むうえでは過去問の傾向をつかむ必要があると思われます。

TACにも過去10年分の問題集があって、基本同じ問題が掲載されているはずですが、LECの問題集のほうが再現度が高そうな印象があります(口述は出題された問題が公表されないので、実際受けた受験生からの情報を集めて問題を再現している事情があります)。

 

 

<おすすめする予備校の受講方法>

自分が現時点でもしも初学者であったならば、2年をめどに合格する目標を立てると思います。1年合格する人ももちろんいるのですが、割合としてはごく少数です。

 

勉強時間が限られる社会人であれば、1年目は1次試験(短答試験)の対策に集中し、2年目に論文向けの対策を初めて完全な合格を目指すプランのほうが現実的な気がします。

特に法律の初学者の場合、1年目、短答と論文の勉強を両方やろうとするといっぱいいっぱいな気がするんですよね。

そうすると、(1)1年目で短答試験を突破して、2年目で論文試験、口述試験を突破するか、あるいは(2)1年目で短答試験で合格しないまでも基礎を固めて、2年目で短答試験と、論文試験、口述試験の全部を一気に突破する、というプランが現実的になります。

 

※ただもし(1)のように1年目で短答試験を突破した場合、論文試験の対策を全くそれまでとっていなかったとしても、文章を書くのが得意な人であれば、1年目で論文試験に合格する可能性は結構あります(必要となる知識は短答と論文で結構共通しているので)。はなから1年目の完全合格を捨てる必要はなっく、短答試験合格者は短答試験と論文試験の間に過去問を一通り終わらせる、論文模試を受講するなどチャンスを活かす努力をするのがおすすめです。

 

上記プランをもとにTACを受講する場合、2年で合格を目指す2年本科生か、短答向けの講座だけパックにされた短答本科生を選ぶことになります。

 

2年本科生は、1年目は短答対策の授業だけがあり、2年目から論文の試験が受講できるようになります(1年目短答試験におちた場合には2年目も短答対策の講座をうけられたはず)。2年間授業が受けられるわりにお得な料金設定です。ただ、大半の受験生が途中で勉強を断念してしまうことを考えると、いきなり2年分の受講料を支払うのは躊躇してしまうかもしれません。1年で合格する可能性もゼロではないですし。

 

その懸念があるならば、1年目は短答向け対策のみがパックされた短答本科生が候補になるかと思います。1年続けられたら、2年目の勉強をどうするか1年目の状況を見て決めればよいわけです。

 

通学にこだわらないのであれば、1年目はスタディングなどの格安のオンライン講座を受講して基本的な知識を得つつ、2年目でTACなどでより本格的な講座を受講して(例えば私が受講した上級本科生など)一気に合格を目指す、などという方法も考えられますね。